トルク
トルクは回す力です。
力 ÷ 重さ = 加速度 となるので、力がわかると、加速がわかります。
つまり、トルクがわかると、加速がわかります。
定義
トルクの定義は、力 × 半径 です。
直線系と回転系で用語が変わります。
力 → トルク (回す力)
重さ → 慣性モーメント (回りにくさ)
加速度 → 角加速度 (回転速度の変化)
力 ÷ 重さ = 加速度 (直線系)
トルク ÷ 慣性モーメント = 角加速度 (回転系)
馬力(出力)
馬力は力ではありません。力と速度を掛け合わせた値です。
力(トルク)がなくても高回転まで回れば、馬力は大きくなります。
加速は小さいが、高い速度まで加速を続けられるという意味です。
人間は、てこを使えば、トルクを大きくすることができますが、逆に速度は低下します。
力強い加速はできるが、速度が遅いので、馬力は小さいという意味です。
なお、人間の馬力は瞬間的に1馬力程度はでます。
馬の馬力は、瞬間的に15馬力程度は出ます。
定義
出力の定義は、力 × 速度 です。
出力は、仕事率ともいいます。
仕事を時間で割ると、出力になります。
出力(仕事率) = 仕事 ÷ 時間 = 力 × 距離 ÷ 時間
式を直線系から回転系に変換してみます。
出力 = 力 × 距離 ÷ 時間
回転して進んだ距離は、2 × 円周率 × 半径 × 角度 ÷ 360だから、
出力 = 力 × (2 × 円周率 × 半径 × 角度 ÷ 360) ÷ 時間
力 × 半径 = トルクだから
= 2 × 円周率 × トルク × 角度 ÷ 360 ÷ 時間
= 2 × 円周率 × トルク × 角速度 ÷ 360
= 2 × 円周率 × トルク × 360 × 回転速度 ÷ 60 ÷ 360
= 2 × 円周率 × トルク × 回転速度 ÷ 60
出力[w], 時間[sec], 力[N], トルク[Nm], 距離,半径[m], 角度[deg], 角速度[deg/sec], 回転速度[rev/min または rpm]
360は1周の角度、60は1分の秒
変速機
変速機を使うと、エンジンの馬力をタイヤの速度と駆動力に配分することができます。
エンジンの馬力が100の場合、
- 速度が10だと、10の加速(駆動力)が得られます
- 速度が100だと、1の加速(駆動力)が得られます
同じ車が同じ速度で同じ加速をしている場合、選択しているギアが異なっても、エンジンの馬力は同じです。
速度が10、加速が10の場合、エンジンの馬力は100です。
- 変速機で速度を1倍、トルクを1倍にしている場合
エンジンの回転速度が10、トルクが10出ています。(馬力=10 × 10) - 変速機で速度を1/10倍、トルクを10倍にしている場合
エンジンの回転速度が100、トルクが1出ています。 (馬力=100 × 1)
実際は速度とギアは成り行きで決まるので、任意の速度から100の馬力を出せるわけではありません。
ある速度から加速したい場合、その回転で得られるトルクによって加速が決まります。