馬力とトルク どっちが速い?

比較

同じ条件で比較するため、同じ車重、同じ変速機で、エンジンのみが違う2台を比べてみます。

A: トルクが2 最高出力が 50のエンジン、最大回転速度は 25(50÷2)となります。
B: トルクが1 最高出力が100のエンジン、最大回転速度は100(100÷1)となります。
( 変速比はいずれも 1速:1/1 2速:1/2 3速:1/4 4速:1/6 )

シミュレーションしてみると、おもしろい結果が得られました。
まず、0から全開加速を比べてみます。
時間200でAとBどちらが前にいるでしょうか。
距離を見るとAのほう進んでいるので、Aのほうが速いということになります。

続いて、2台がサーキットでレースをする場合を考えてみます。
スタート時はAが先行しますが、速度75以上で周回していると、
いずれは加速度の大きいBがAを追い抜くことになります。

街乗りではどうでしょうか。
同じ回転速度でシフトアップしたとすると、全域でAのほうが速くなります。
同じギアだと、Bは、Aの半分の加速しか得られないからです。

ここで誤解してはならないのは、同じ速度でトルクが2倍なら、実際の馬力も2倍ということです。
トルクが小さく、馬力が大きいエンジン(B)であっても、
トルクがないのは、馬力が出ていないという事になり、遅くて当然といえます。

結論

トルクは、絶対的な加速度の大きさの指標です。
強い加速Gを感じたい場合、トルクの値が大きいエンジンを選ぶとよいです。

馬力は、高い速度からの加速度の大きさの指標となります。
ここでいう馬力とは、カタログに記載された最高出力のことを指します。
高速道路で追い越し加速や、長時間の加速を望むなら、最大馬力の大きいエンジンを選ぶとよいです。

実際の馬力とは、トルクに比例するものであって、トルクが大きければ馬力も大きくなり、
比較の対象とはなりません。

レースをメインで考えるなら、高回転でトルクがある、つまり高回転で馬力があるエンジンのほうが速いと言えます。
街乗りをメインで考えるなら、低回転でトルクがある、つまり低回転で馬力があるエンジンのほうが速いと言えます。

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