ロングストロークはトルクが大きい?
ロングストロークエンジン
ボア(シリンダの直径)よりストロークのほうが長い場合、ロングストロークエンジンと呼ばれます。
ピストンがトップにある時、ロングストロークエンジンはショートストロークエンジンに比べて燃焼室の表面積が小さいため、放熱が少なくなり、効率が良くなります。
特に回転速度が低いと1度の燃焼で放熱する時間が長くなり、表面積の影響が大きくなります。
これが、ロングストークエンジンは、低速トルクが大きいと言われる理由です。
ロングストロークエンジン | メリット・デメリット | |
ボア | 小 | 〇 着火後、炎が燃え広がる時間が短い |
ストローク | 長 | × エンジンの全高が高くなる × ピストンスピードが速く、高回転に不向き |
上死点での燃焼室の表面積 | 小 | 〇 放熱が小さい |
バルブサイズ | 小 | × 高回転で吸排気が不十分になる |
ピストンを押し下げる力 | 小 | |
クランク半径 | 大 | |
トルク | 同 |
クランク半径が長いから梃子(てこ)の原理でトルクが大きいわけではありません。
(燃焼圧力)×(ボア)=(力) なので、ピストンを押し下げる力が小さくなります。
(トルク)=(ピストンを押し下げる力)×(クランク半径)なので、
排気量と燃焼圧力が同じであれば、トルクは変わりません。